口の中の出来もの:エプーリスについて
こんにちは。吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は口腔外科の分野からエプーリスについてです。
エプーリスは前歯に発生することが多いとされ、男性に比べ女性に多い疾患です。
組織学的には、肉芽腫性、線維性、血管腫性、骨形成性、巨細胞性に分類されます。
妊娠性エプーリスといって妊娠に伴い発症し、出産後に小さくなるものもあります。
それでは、症例を2つ見てみましょう。
症例①
50歳代、女性です。
右上の裏側に出来ものができたとのことで受診されました。
右上の中切歯の裏側に出来ものが認められます。
表面はスムーズで、痛みもありません。
局所麻酔を行い、切除しました。
切除して1週間後の状態です。
痛みもなく経過良好です。
組織検査の結果はエプーリスでした。
処置について
今回は、病変のみを切除しましたが、
再発したり、歯のぐらつきが大きい場合は、
原因となる歯を抜歯することもあります。
教科書的にはエプーリスは原因歯の抜歯とエプーリスの切除になりますが、
臨床的には、最初にエプーリスを切除し、
その後再発するようなら抜歯もふくめて行うことが多いと思います。
症例②
左上の歯肉に出来ものが認められます。
この症例では、症例①と違い表面が少しデコボコしています。
組織検査の結果は悪性腫瘍(扁平上皮癌)でした。
大学病院での手術となりました。
今回の2症例は似ていますが、
結果は全く別の結果でした。
あえて言うなら、癌の場合は上皮の欠損があるので
症例②のようにデコボコしていることが多いと思います
癌(扁平上皮癌)の場合は見た目がいかにも悪そうな感じですね。
投稿日:2009年9月30日 カテゴリー:口腔外科