アゴの関節の脱臼(アゴがはずれる)
こんにちは。さくま歯科 佐久間琢です。
今回はアゴの関節の脱臼(アゴがはずれる状態)についてです。
顎関節疾患の中では外傷に分類されます。
アゴが、正常な運動領域を越え、口の開け閉めができなくなった状態、
これを顎関節脱臼(がくかんせつだっきゅう)といいます。
症状としては、口を閉じることができなくなり、言葉が話づらくなります。
受診される患者さんは、口が閉じないので、かなり焦って受診することが多いです。
アゴの脱臼の原因は大きく分けて2つあります。
①関節円板が原因となる場合
②口を開け閉めする筋肉に問題がある場合
顎関節4分割のレントゲンです。
左右の関節の開け閉めした時の下アゴの位置がわかります。
原因が関節円板か筋肉なのかを診断するのにMRIが有効です。
アゴが脱臼してしまった場合の処置方法は、
下アゴを手で保持して、元の位置に戻します(徒手整復法)。
また、受診する時は脱臼していないけど、
普段の生活の中で脱臼してしまうので困っているという場合があります。
この場合は前述の原因①と②で対処方法が異なります。
原因①に対しては、関節円板の動きを出すような下アゴを動かす訓練を指導したり、
パンピングや洗浄療法で関節円板の動きを改善し、
関節円板と関節の動きの調和を整えたりします。
原因②に対しては、原因となる筋肉が緊張状態にあることが多く、
筋肉のストレッチになるような開口練習を指導します。
脱臼の頻度が多い場合は手術が適応になる場合もあります。