アマルガムとコンポジットレジン
こんにちは。さくま歯科 佐久間琢です。
今回は虫歯治療についてです
つめる治療は、現在コンポジットレジンという材質がメインとなっています。
コンポジットレジンは、有機複合材料で、現在では材料の性質、
歯との接着がかなり改善されてきており、
これからのむし歯治療には無くてはならない材料です。
歯に近い色をしており見た目も気になりません。
以前はコンポジットレジンの代わりに、アマルガムという金属が使われておりました。
症例を見てみましょう。
黒い金属がつめてあります。
これがアマルガムという金属です。
黒い金属(アマルガム)は最初は銀色をしていますが、
口腔内で劣化し腐食され黒くなってしまいます。
金属が溶け出すと歯肉を変色させる原因にもなります。
黒い金属(アマルガム)を除去して、コンポジットレジンを充填(つめ物)して治しました。
コンポジットレジンを充填(つめる事)ができれば、その歯は1日で治療が完了します。
むし歯の治療は常にコンポジットレジンが充填できる訳ではありません。
むし歯が大きかったり、歯肉の下に及ぶ場合はつめる事が難しいのです。
その場合は,型をとってつめ物をセットする必要が出てきます。
型をとる詰め物の種類は次回以降に書こうと思います。
最後にアマルガムの弊害を書きます。
上の写真のようにアマルガムの辺縁がかけて虫歯になっています。
さらにアマルガムは全身的にも影響があります。
アマルガムは銀、銅、亜鉛、水銀などが含まれた金属で、
口の中では、唾液が電解液となって水銀を溶かし出します。
溶けた水銀は肝臓、腎臓、脳に蓄積する可能性があります。
女性の場合は、妊娠しにくくなったり、
水銀が胎児に移行したり母乳に移行する危険もあるといって報告もあります。
皮膚の炎症や、水ほうが表れたりする掌蹠膿疱症の原因になったりします。
粗悪な金属を口の中に入れることはできるだけ避けるべきです。
金属を入れるならいい金属を入れるべきですし、
笑ったら金属の色が見えるとか見えないとかで、
詰め物をの種類を選ぶのではなく、安全性についても考える必要があると思います。
最近「メタルフリー修復」という言葉を耳にしますが、金属を使わないで、
セラミックだけで治せたらこんなに安全で審美的なことはないですね。
投稿日:2009年9月11日 カテゴリー:むし歯修復