唾液腺(だえきせん)について
こんにちは。さくま歯科 佐久間琢です。
患者さんから「最近、唾液の量が少なくなった気がする」といったお話を伺いました。
今回は口腔外科の分野から唾液腺(だえきせん)についてです。
唾液腺(だえきせん)は唾液をつくる組織です。
唾(つば)をつくる工場と考えてください。
大唾液腺と小唾液腺に分けられます。
1小唾液腺
小唾液腺は、くちびる、舌、頬の粘膜、口蓋(上アゴの粘膜)に分布しています。
唾液腺から唾液の流出が障害されると風船のようにふくらんで嚢胞(のうほう)ができる
ことがあります。
これを粘液嚢胞(ねんえきのうほう)といいます
前舌腺(Blandin-Nuhn腺)から生じた粘液嚢胞です。
原因となった唾液腺の名前からBlandin-Nuhn嚢胞といいます。
つぶれると、中から唾液が出てきます。
つぶれても時間が経つと再び出来てきます。
他にも口唇、頬の粘膜のも粘液嚢胞は発生します。
処置は嚢胞の摘出です。
2大唾液腺
大唾液腺は耳下腺、舌下腺、顎下腺の3つです。
サラサラした唾液をつくる漿液性(しょうえきせん)と
ネバネバした唾液をつくる粘液腺(ねんえきせん)に分けられます。
耳下腺は純漿液性(じゅんしょうえきせん)でサラサラの唾液を出します。
舌下腺、顎下腺は混合腺(こんごうせん)でサラサラ唾液とネバネバ唾液の両方を出します。
加齢により、唾液腺の機能が低下すると
唾液量が減少したり、ネバネバした唾液が優位となり
口が乾いてしまう訳です。
唾液腺の病気には悪性腫瘍、良性腫瘍、炎症があります。
他にも、体液、電解質異常、神経障害、心因性、薬物性、口呼吸
が原因で口が乾いてしまいます。
唾液の減少による弊害と口腔内乾燥症については次回以降に解説します。