上顎の親知らずの抜歯
こんにちは。吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は口腔外科の分野から親知らずの抜歯です。
親知らずの抜歯と言うと下アゴの抜歯に焦点をあてたものが多いのですが、
今日は上顎(じょうがく)です。
では、症例を見てみましょう。
むし歯で歯冠(歯の上部)の部分が大きく崩れています。
このように歯冠が大きく崩れていると、
器具がかかりにくくなります。
このような場合、抜歯の難易度が高くなります。
レントゲン写真です。
根が湾曲しています。
根が曲がっていて、歯冠が崩壊していて器具がかかりにくい。
うーん、難しそうな抜歯だなあ。。。
麻酔をして、器具をかけます。
抜けました!
抜歯した直後です。
歯が抜けて穴になっています。この穴を抜歯窩(ばっしか)といいます。
抜歯窩(ばっしか)に血液が満たされてかざぶたとなって穴をふさぎます。
抜歯した歯です。根が曲がっているのがわかります。
このように、親知らずの形態は上下とも悪いことが多く、
抜歯を難しくする1つの要因なのです。
抜歯後はうがいや、歯ブラシをひかえ、
抜歯窩(ばっしか)をできるだけ刺激しないようにします。
抜歯窩(ばっしか)を覆ったかさぶたをとらないようにするためです。
抜歯後1週間です。
傷がふさがってきています。
きれいに治りそうです。
親知らずの抜歯に関してはホームページの本編でも書いています。
ご覧になってみてください。
上顎の抜歯における偶発症(トラブル)の1つは、上顎洞炎です。
上顎洞(副鼻腔の1つ)に歯の根が近接しているため、
傷が感染を起こすと炎症が、上顎洞に波及して起こります。
抜歯後の抗生物質はきちんと内服すべきです。
投稿日:2009年9月28日 カテゴリー:口腔外科