抜歯後の骨髄炎!?
こんにちは。吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は口腔外科の分野から骨髄炎についてです。
症例を見てみましょう。
他院にて抜歯をしてから痛みが止まらないという理由で来院されました。
抜歯は14日前だったとのお話でした。
初診時のパノラマエックス線写真です。
右下の第二大臼歯(向かって左下)を抜歯したが、
それから右アゴが自発痛(何もしないで痛い)とのことでした。
レントゲンでは抜歯窩(ばっしか:歯を抜いた傷)は問題ありません。
慢性的に炎症があると、レントゲンでは、骨硬化像(こつこうかぞう)として白っぽくなります。
また自発痛の原因として手前の歯や上側の歯に虫歯があって歯髄炎(歯の神経の炎症)
であることもありますが、それもなさそうです。
口の中を見てみると
すでに歯肉があがってきており、治りは悪くなさそうです。
抜歯後の治りが悪い原因に、ドライソケットや感染がありますが、それもありません。
抜歯後4週間です。
軟組織があがってきて治りは問題なさそうです。
このケースでは抗生物質の内服で症状は無くなりました。
典型的な骨髄炎は、抜歯した歯より前方の歯をたたくと痛みが出たり、
しびれるような感覚(神経麻痺)が出現します。
骨髄炎の場合、抗生物質の内服が長期化することがあります。
確定診断は重要です。
確定診断をするには、CT検査やMRI検査を行って骨の中の状態をみて、
組織検査を行う必要があると思います。
投稿日:2009年10月14日 カテゴリー:口腔外科