上顎の親知らずの抜歯、偶発症(ぐうはつしょう)について | 吉祥寺の歯医者 - さくま歯科 -

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上顎の親知らずの抜歯、偶発症(ぐうはつしょう)について

こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。

今回は口腔外科の分野から上顎の親知らずの抜歯に関してです。

親知らずの抜歯というと下の親知らずの抜歯にばかり焦点が当てっていますが、

上顎の親知らずでも気をつける点があります。

抜歯を行って起こりうるトラブルを偶発症(偶発症と言います。

上顎の親知らず抜歯では、上顎洞(じょうがくどう)が問題になります。

レントゲンに上顎洞を赤で示しました。

11dm.jpg

では、上顎の親知らず抜歯による偶発症を見てみましょう。

①上顎洞炎(じょうがくどうえん)

抜歯により口腔内の細菌が上顎洞に感染し、炎症を起こします。

抗生剤の内服を行い、上顎洞を洗浄します。

②上顎洞迷入(じょうがくどうめいにゅう)

抜歯操作で、歯を上顎洞に落としてしまうことです。

もちろん、除去を行います。

③歯根破折(しこんはせつ)

親知らずの根の形態は曲がっていたり、細くなっていたりして、折れてしまう事があります。

折れた根は抜歯に努めますが、無理に抜歯しようとして②の上顎洞迷入を起こしそうな場合は、

そのままにする事があります。感染さえ起こさなければ問題はありません。

④口腔上顎洞瘻孔(こうくうじょうがくどうろうこう)

抜歯後に、抜いた所の穴がふさがらず、上顎洞と口の中が穴でつながっている状態を言います。

上顎洞瘻孔閉鎖のために歯肉を切って穴をふさぎます。

⑤ドライソケット

これは親知らずにかかわらず抜歯した所に起こるトラブルです。

通常は、かさぶたが抜歯した穴をふさぎますが、かさぶたの出来が悪いと骨がむき出しになってしまいます。この状態をドライソケットと言います。

この場合、再度抜歯部位に出血を起こしてかさぶたの形成を促します。

抜歯窩治癒不全

歯肉の治りが悪かったり、術後の痛みが持続することがあります。鎮痛剤と抗生剤の内服で経過を見ることが多いのですが、場合によっては再度抜歯部位のソウハ(再度出血を起こさせてかさぶたをつくる操作)を行うことがあります。

先日、インプラント上顎洞底挙上術(サイナスリフト)のブログにも書きましたが、

上の歯を治療する際は、上顎洞のことを考慮する必要があります。

投稿日:2009年11月28日  カテゴリー:口腔外科