歯周病と口腔がんの関連
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は歯周病と全身疾患、
歯周病と口腔がんについてです。
この報告を読んだ時はびっくりしました!!!
米国のロズウェルパークがん研究所(Roswell Park Cancer Institute:RPCI)の報告
を簡単に紹介します。
米国では喫煙率が減っているにもかかわらず、口腔がんが増加傾向にあるというのです。
喫煙や、飲酒はがんのリスクファクターですので、他に原因があるのではないかと考えた訳ですね。
そこで、彼らは歯周病の影響を検討してみたのです。
そうすると、歯槽骨(しそうこつ:歯を支えている骨)が1mm吸収(溶けてしまうこと)
するとがんの発症が4.36倍増加するという結果が出たというのです。
非喫煙者であっても歯周病により口腔がん発症率が増加するという結果がでたので、
歯周病が癌のリスクファクターというわけです。
歯周病の有無とがんの分化型(※注釈を参照)との関連を検討した結果、歯周病のある人はない人よりも有意に低分化型のがんが多いことが示されました。
すなわち、歯周病の患者さんは悪性度の高い癌になることがわかったのです。
この報告からもわかるように
普段から口の中に関心を持ち歯周病予防に努めることは大切というわけです。
舌がん
次回は歯周病と糖尿病の関係についてです。
※注釈※
腫瘍とは出来そこないの細胞が無秩序に増加することです。
この出来そこないの度合いを分化度と言います。
分化度が低いとは未熟な細胞を意味します。
すなわち分化度が低いことは悪性度が高いということなのです。
投稿日:2009年12月2日 カテゴリー:口腔外科, 歯周病