抗血栓薬と抜歯
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は口腔外科の分野から抗血栓薬と抜歯についてです。
抗血栓薬を内服している方の抜歯についてです。
日本ではアスピリンは300万人、ワルファリンは100万人が内服していると推定されていて、
歯科医師は、抗血栓薬を内服している方の治療をする機会が増えているという訳です。
抗血栓薬を内服していると血液がサラサラになり、体の中で血栓を作りにくくなります。
抜歯をする際、血液がサラサラだと、抜歯後の止血が難しい場合がでてきます。
そこで、抜歯の1週間前から抗凝固剤の内服を中止して抜歯をするということが行われてきました。
近年では、抗血栓薬を止めることで血栓を作りやすくなるために内服を中止しないで抜歯する事が推奨されています。抗血栓薬の内服を中止すると血栓ができやすくなるという訳です。
日本循環器学会の「循環器領域における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン」では、抜歯に関しては以下のように定義されています。
①抜歯はワルファリンをコントロールした上でワルファリンの継続下で抜歯が望ましい。
②抜歯は抗血小板薬の内服継続下での施行が望ましい。
このガイドラインは口腔外科医を中心に浸透しつつありますが、一般歯科医にはまだ十分浸透しているとは言い難い現状があります。
患者さんも内科で、1週間止めるようにと言われていることも多く、内科的にも内服を止めていいケースもあります。
抜歯など外科処置の際は必ず内科に状態を確認することが大切です。
投稿日:2010年1月29日 カテゴリー:口腔外科