ブラキシズム(歯ぎしり)と睡眠の質
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は、睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり)と睡眠の質についてです。
ある大学での研究が報告されていましたのでご紹介します。
最近では単に顎関節症を症状によって分類するだけではなく、
精神的な側面からも診断するようになりました。
この報告はこのような背景からの報告です。
初診時に顎関節症の症型分類を行い、さらに不安・抑うつ・神経症・外向性性格・睡眠・職場・生活環境に関する質問を行ったそうです。
性別、年代、習慣習癖、不安、抑うつ、性格傾向を独立変数にしてロジスティック回帰解析を行い以下のような結果を得たということです。
①睡眠の質が悪いブラキシズムには抑うつが関与している
②睡眠の質の問題がないブラキシズムには歯牙接触癖が関与している
といった研究報告があります。
すなわち、
顎関節症患者の歯ぎしりを治療する場合は上記の①と②を分けてタイプ別に行う必要があるというわけです。
ブラキシズムに対してはスプリントが使用されろことは以前に書きました。
スプリントはブラキシズムによる弊害から歯を守ってくれます。
スタビライゼーション型スプリント。
この報告から、実際の臨床の現場では、次のような事が言えると思います。
①のタイプにはスプリント療法だけではなく、心療内科で抑うつを治療すると効果的である。
②のタイプにはスプリント療法と歯牙接触癖のコントロールが有効である。
顎関節症かなと思ったら診断を受け正しいないといけません。
症状によって治療法が異なります。
投稿日:2010年1月19日 カテゴリー:顎関節症