インプラントと骨粗しょう症
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は、インプラントの分野からインプラントと骨粗しょう症についてです。
骨粗しょう症の薬はビスホスホネート製剤と言われています。以下はBP製剤とします。
BP製剤を内服していると問題になるのはインプラントが骨と接合しない可能性があることと、顎骨壊死(がっこつえし)といって骨がダメになってしまう可能性があることです。
顎骨壊死(がっこつえし)になってしまうと、悪くなった部分(腐骨:ふこつ)を除去しないといけないので、下顎骨の半分を切除しないといけないケースも出てきます。厄介です。
アメリカでは、米国口腔外科学会により任命された委員で作成された治療指針が2007年に
Junal Oral Maxillofaicial Surgery という雑誌に掲載されています。
インプラントに関しての指針を抜粋・要約します。
①BP製剤の投与期間が3年未満で危険因子がない場合
抜歯などは投薬の中止は必要ないが、インプラントの埋入に関しては、将来的にインプラント失敗の可能性と顎骨壊死の可能性がある。
②BP製剤投与期間が3年未満でコルチコステロイド併用の場合
3カ月間の休薬を行い、傷が治るまで投薬は見合わせる。
③BP製剤の投与期間が3年以上で、ステロイドを併用あるいは併用していない場合
3ヵ月間の休薬を行い、傷が治るまで投薬は見合わせる。
BP製剤を内服していたり、過去に使っていた場合、インプラント失敗の可能性、顎骨壊死(がっこつえし)の可能性を考慮しないといけません。
内服している薬や、期間についてはしっかり申告しないといけません。
思わぬ所で処置ができなかったり、危険性が増す事があります。