金銀パラジウム合金について
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は保存修復学の分野からパラジウム修復についてです。
金銀パラジウム合金は保険治療に使われている金属です。
金の含有量が12%と低く銀を多く含むため、18Kゴールド、20Kゴールド、白金加金に比べ腐食のリスクが高くなります。
症例を見てみましょう。
腐食したパラジウムアンレー
真っ黒です。
口腔内にセットする前の金銀パラジウムインレーです。
セット前は銀色ですが、腐食が進むと上の写真のようになります。
金属で修復するなら金の含有量が多い材質を選ぶべきです。
また、金銀パラジウム合金や18Kゴールド、20Kゴールド、白金加金などたくさんの種類の金属をセットするとガルバニー電流の原因になります。いろいろな種類で治すのは避けるべきです。
金属を使わずに治すのも選択肢の1つです。(メタルフリー修復)
パラジウムの長所としては、保険が適応となるため経済的負担が少なくて済むという点だけだと思います。
口の中に入るものですから、ゴールドやハイブリットセラミック、オールセラミックといった材質も検討すべきです。
セラミックの物性や、接着技術の向上でいい材質が出ているのに保険制度が追いついていないという現状があります。安全性の高い治療を受けるには自費治療ということになってしまうのが日本の歯科医療の現状です。
投稿日:2010年5月11日 カテゴリー:むし歯修復