歯根破折(しこんはせつ)を考える
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は、口腔外科の分野から歯根破折(しこんはせつ)について考えます。
歯根破折の原因は偶発事故や、咬む力が強いことなどが原因であることから、
その予測は極めて困難で、早期診断が難しいとされています。
歯根破折を回避するには、出来る限り、神経を保存することが最も有効な予防策となります。
神経がある歯は神経の無い歯に比べて弾力があるので割れにくいのです。
歯の神経を保護することが大変重要と言えます。
データを見てみましょう。
2005年に8020推進財団が公表した「永久歯の抜歯原因調査報告書」によれば、
国内の歯科診療所における抜歯原因のうち、歯の破折が主因だったものは11.4%というデータがあります。
この報告からすると、たった1割かなと思いますが、以下のような報告もあります。
Axeissonらの(2004)報告によると、徹底したプラークコントロール下における歯の喪失原因を30年に渡って追跡調査し、62%が歯根破折であったと報告しています。
この報告からすると、歯磨きが問題なく行えている場合、すなわち、虫歯や歯周病以外の原因では、
かなり高い割合で歯根破折が抜歯原因になっていることがわかります。
歯根破折した歯です。
縦に亀裂が走っているのがわかります。
歯根破折を起こすとほとんどのケースで抜歯になってしまいます。
歯根破折の多くは神経を取った歯に見られます。
神経を取らないように虫歯予防に努めましょう。
投稿日:2010年9月15日 カテゴリー:口腔外科