かみ合わせは顎関節症の原因か?①
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科
日本顎関節学会認定医 佐久間琢です。
今回は顎関節症の分野からかみ合わせの治療と顎関節症の関係についてです。
歯科界でもエビデンスの重要性が日増しに高まり、
常に最新の情報に触れていないといけません。
このことは顎関節症以外にも言えます。
かみ合わせと顎関節症についても誤解を与える情報が氾濫していると思います。
顎関節症イコール咬み合わせが悪い。
だからかみ合わせを治そうという大きな誤解です。
この大きな誤解のおかげで、根拠なく理想的なかみ合わせを目指して、
全く健全な歯を削って治療が行われてきた歴史があります。
安易に咬み合わせ(咬合)をいじってはいけないのです。
報告された論文には咬合を扱ったものもありますが、
その研究の数は少なく、質的にも低い(信頼度が低い)論文が多いのが現状です。
かみ合わせの治療(顎関節症における咬合治療)の優位性が確立されていないのです。
歯科医師である以上、かみ合わせんお治療(咬合治療)しないといけないと思っている歯科医師も多く存在しますが、顎関節症では咬合治療を慎重に行わないといけません。
顎関節症では、かみ合わせも原因の1つですが、原因は複数あります。
インターネットで見ていると、顎関節症はかみ合わせ(咬合)を治せば治るという
広告宣伝を目にしますが、顎関節症の治療において第一選択は保存的な治療であり、
かみ合わせを治す治療ではないことは学会でも共通の認識です。
次回は、かみ合わせの治療で顎関節症が治ったと思うわ罠についてです。
投稿日:2010年10月3日 カテゴリー:顎関節症