アペキシフィケーション
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は小児歯科の分野からアぺキシフィケーションについてです。
アペキシフィケーションとは失活歯の根未完成歯の根尖の形成を促進することです。
セカンドオピニオンのケースを紹介します。
他院では根が完成しなければ抜歯と言われて心配になったと言う事でした。
症例です。
外傷で歯冠破折が起こり神経が露出したため他院にて神経を取ったそうです。
水酸化カルシウムを入れて根の完成を待っているそうですが、
あと3カ月経って根が完成されなければ抜歯だそうです。
抜歯の方針にはちょっと驚きました。
レントゲン写真です。
歯冠が破折しているのでコンポジットレジンで修復してあります。
歯根は未完成です。
乳歯と永久歯が混在する混合歯列期なので、噛み合せも定まっていません。
まず経過を観察して、腫れや痛みが出たらその度に対処しながら、
永久歯列になるのを待つべきです。
神経について、まずは保存すべきだったと思います。
このようなケースでの神経の保存については小児歯科の専門医でも意見が分かれるそうです。
ブログでも紹介していますが、神経のなくなった歯の運命は抜歯になるケースが多く、
神経の保存を考えるのは歯の寿命と大きく関連します。
抜歯にならなくても神経を取ってしまった歯は再治療の可能性が出てきます。
かぶせ物などの最終修復もこの時期に行うべきではありません。
また、抜歯は最終手段となりますので、絶対避けるべき処置だと思います。
投稿日:2012年2月14日 カテゴリー:小児歯科, 歯内療法