顎関節症と咬合治療
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺本町 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は顎関節症の分野から顎関節症と咬合治療についてです。
症例です
長い間、顎関節症であり、歯ぎしりがあったのでスプリントを使用していた症例です。
他院にて左側の咬み合わせが弱いので左上に詰め物をして左のかみ合わせを高くしたのですが、
それ以降に左側がひっかかて開かなくなるという方が受診されました。
歯ぎしりがひどいのでナイトガードの作製をお願いしたようですが、左上の咬合治療を行い、
ナイトガードを装着しないで過ごすようにと説明されたようです。
このケースでの対応ではまずい点は2つです。
①1つは顎関節症で安易に咬合治療に踏み切っている点
もうひとつは咬合治療によってナイトガードを不要としている点です。
顎関節症の病態はある一点に収束してきます。
病悩期間が長いと、顎関節が適応変化を起こし落ち着いてきます。
しかし、今回のように安易に咬合治療をおこなうと顎関節の環境が変化して、
調子が悪くなるのです。
顎関節症において咬合治療は安易に行わない方が無難でしょう。
②歯ぎしりについては咬合治療によってなくなる訳ではありません。
ナイトガードは歯を守るという観点から使用すべきです。
顎関節症は病態によっては完全に治るという事がありません。
適応変化を起こしますので、咬合治療は注意しないといけません。
咬み合わせが悪いイコール顎関節症ではありません。
投稿日:2013年11月1日 カテゴリー:顎関節症