白板症(はくばんしょう)について
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は口腔外科の分野から白板症(はくばんしょう)についてです。
白板症は前癌状態と言われ、一部は癌化する病態です。
口腔粘膜上皮の増殖によって肉眼的には白く見えます。
40歳以上に発生することが多く、男性にやや多いとされています。
舌、歯肉、頬粘膜、口腔底に発生します。
原因には局所的な要因と全身的な要因があるとされています。
局所的な要因は歯の鋭縁、義歯、喫煙、飲酒などとされており、全身的な要因には内分泌異常、高コレステリン血症、ビタミンA・Bの欠乏などとされています。
紅板症(こうばんしょう)といって血管の反応が著しい場合、肉眼的に赤色を呈するものもあります。
白板症はいろいろなタイプに分かれています。病理組織検査では細胞の異型上皮(いけいじょうひ)が分類され高度の場合は上皮内癌と言ってもいいくらいです。注意が必要です。
また、ニコチン性白板症といって喫煙と関連がある白板症があります。
この場合、禁煙することで無くなります。
症例です。
肉眼的には白板症と思われたのですが、組織検査の結果、悪性腫瘍でした。
組織検査を行い確定診断することは重要です。
粘膜疾患は難しい病態です。自分の口腔内をまじまじと見ると、変わった表面をしている事に気づく事もあります。実際はそれが正常な形態という事もありますが、
虫歯や歯周病だけではなく、粘膜疾患についても
気になる症状は診察を受けるべきだと思います。
投稿日:2017年9月19日 カテゴリー:口腔外科