リポジショニングスプリントの適応
こんにちは 武蔵野市 吉祥寺本町 さくま歯科
日本顎関節学会認定 顎関節症専門医 佐久間琢です
今回は顎関節症の分野からリポジショニングスプリントについてです。
最近、間欠ロックを主訴にされている方が多いので、前回に続いて間欠ロックの治療についてです。間欠ロックとは完全にロックする前段階にあり、煩わしい病態です。
症例です
他院で治療していたが関節雑音が消えないとの事で受診されました。
診断は右側のIII型間欠ロック症例です。
この場合、通常のスプリントではいけません。
リポジショニングスプリントを使用します。
間欠ロックするケースではリポジショニングスプリントが有効です。
リポジショニングスプリントは
下顎を前方に維持して関節円板の整位した状態を作るのが目的です。
写真のように前歯に山がついている独特の形状をしています。
他院のスプリントを調整して写真のようにしました。
さらにこの症例では、右上7番のクラウンが脱離した状態でした。
仮の歯を入れて関節雑音の消失を確認し、最終補綴を行いました。
通常の顎関節症における咬合治療には慎重を要します。
悪い咬合は治療しても良いと思いますが、それによって顎関節症が完治する訳ではありません。悪い噛み合わせイコール顎関節症ではありません。
どのような手順で治療するか、関節円板の整位との状況判断が必要です。