顎関節症の運動療法 その③
こんにちは。 武蔵野市 吉祥寺本町 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は顎関節症の運動療法の3回目、最終回です。
可動化訓練について書きます。
この運動療法は関節円板が前にズレてロックされた病態が適応です。
正常な関節円板は下顎頭(かがくとう)の上に乗っかっています。
ちょうど帽子をかぶっているようなイメージです。
関節円板が前方にズレてしまい、関節の運動の障害となってしまいます。
この障害を取り除き関節の動く範囲を大きくするために可動化訓練を行います。
それでは、可動化訓練についてみてみましょう
①まずは左右の側方にアゴを動かします。
②自力で開口できる所まで口を大きく開けます。
この時、痛みがあったり、ジャリジャリ音がすることもありますが、
気にしないで大きく口を開けます。
③指を使って開口します。
痛みがあるところまでしっかり開けます。
痛みがない範囲で動かしていても効果があがりません。
大きく開けることで関節の動きを出していきます。
運動療法はリハビリの要素が強いので、痛くてもしっかりと開口することが大切です。
しっかり関節の可動範囲を広げるのが目的です。
開口量の目標は指を縦にして3本入る量です。
指が重なることのないようにしっかり開けられることを確認します。
関節円板が手前へずれて、ロックされ口が開かない病態が適応となるため、
ロックされているかどうかの診断を受ける必要があります。
3回にわたり、顎関節症の運動療法について紹介しました。
運動療法といっても、ただ開ければそれでいいという訳ではないし、
それぞれの運動療法にポイントがあります。
病態に応じていろいろ使い分ける必要もあるので、
診断をしっかり受けるべきということもおわかり頂けたと思います。
運動療法について書きましたが、共通するのはよく動かしておくことが大切ということだと思います。
図の出典:『顎関節症の診断と治療』より
投稿日:2023年6月21日 カテゴリー:顎関節症