顎関節症 | 吉祥寺の歯医者 - さくま歯科 -

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顎関節症

顎関節症

はじめに

さくま歯科では日本顎関節学会認定専門医が治療します。

口内炎・粘膜疾患・顎関節症専門外来は月、火、水、金、土にお受けいたします。

ご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

日本顎関節学会認定 顎関節症専門医 佐久間 琢

顎関節症という言葉は多くの人に認知されていますが、その意味を誤解している事が多いと感じます。安易に咬合治療を行ったり、とりあえずスプリントを入れてみたり歯科医師の中にも多くの誤解があるのが現状です。

大学病院在籍時から多くの顎関節症治療を行ってきましたが、適切な診断を行い症型に応じた治療法の選択が何よりも大切であると思います。 特に運動療法やスプリント療法を中心とした保存的療法であれば診療所でも十分に治療が可能です。顎関節症の専門医として多くの患者さんの不安に向き合いたいと思います。

顎関節症とは?

口を開けると音がしたり、口を開けたり、ものを咬むと耳の前(アゴの関節)が痛い、口が開きづらい、などの症状は顎関節症の可能性があります。 顎関節症の原因ははっきりとはしていませんが、咬み合わせ、悪習癖、ストレスなどとされています。

顎関節症は以下の4つに分類されます。

1.咀嚼筋障害(Ⅰ型)
2.顎関節痛障害(Ⅱ型)
3.関節円板障害(Ⅲa型、Ⅲb型)
4.変形性顎関節症(Ⅳ型)

診断によって治療法が異なります。

顎関節症の診断は4つに分類されますが、症状としては 「口が開きづらい」「アゴが痛い」「音が鳴る」 という3つの症状です。 また、何もしなくても痛い(自発痛)という場合は顎関節症ではなく、他に原因があることがあります。

口が開きづらい
(開口障害)
関節円板が前方にずれてしまっているか、顎関節が炎症を起こしている場合があります。
アゴが痛い
(関節炎、咀嚼筋痛)
顎関節が炎症を起こしたり、関節円板の位置異常が生じて痛んだりします。また、顎関節を動かす筋肉に何らかの負荷がかかり筋肉の痛みとして症状が出る場合があります。
音が鳴る
(関節雑音)
関節円板が前方にずれてしまい口を開ける度に円板を関節が乗り越えるために起こる。あるいは、関節円板のクッションとしての機能が失われ、摩擦が生じて音が発生する場合などがあります。 音には「消せる音」と「消せない音」があります。

治療方法

現在は、保存的に治療することがほとんどで、手術はほとんど行われません。保存的な治療法にはスプリント療法と運動療法があります。外科的な治療法にはパンピングや顎関節洗浄療法があり有効なケースがあります。

1.スプリント療法

スプリントという器具を夜間に装着し、アゴを動かす筋肉や顎関節の安静をはかります。また、はぎしりにも有効です。スプリントは症状に応じて使うタイプが異なります。

a.スタビライゼーション型スプリント

スタビライゼーション型スプリント1 スタビライゼーション型スプリント2

全部の歯が接触するように平らにスプリントを作製します。
筋肉、顎関節の安静、歯ぎしりにから歯を守る目的に使用します。

b.前方整位型スプリント(リポジショニングスプリント)

下顎の位置をやや前方にすることで、関節円板の復位(関節円板を正常な位置に戻す事)を目的に使用します。

前方整位型スプリント1

スタビリゼイション型スプリントと違い、前歯の部分が凸型になっています。
円板整位下顎位でリポジショニングスプリントを作製します。

前方整位型スプリント2

上段と下段の写真を比べると下段の写真では、下顎が前方にあるのがわかると思います。
下顎を前方に出したこの位置を円板整位下顎位と言います。この顎位では関節の雑音が消失します。
この顎位でリポジショニングスプリントを作製します。

スタビライゼーション型スプリント、リポジショニング型スプリントとも夜間に装着します。

2.運動療法

アゴを動かす練習を行います。 症状によって動かし方が異なります。診断を受け、症状にあった運動療法を指導してもらう必要があります。

a.円板整位運動

カクカク音が鳴るような病態に有効です。前方にずれてしまった関節円板を元の位置に戻す運動です。関節雑音が鳴っていればすべてこの運動が有効という訳ではありません。円板整位運動が無効な種類の関節雑音もあります。

b.可動化訓練

クローズドロック(関節円板がずれて関節が引っかかり、口が開かなくなる病態)症例に有効です。指が3本入るところまで開口できるよう練習します。動かし方や、運動の回数は症状やステージによって異なります。

単に口を開ける練習をすれば良いという訳ではありません。症状や病態に合った運動療法が必要です。

3.パンピング療法

顎関節に注射をして、関節の環境改善を行います。円板が転位 ( づれている ) している症例や痛みを伴う症例に有効です。

パンピング療法1 パンピング療法2

耳の前にアゴの関節があります。ここに注射をして、関節の環境改善を図ります。注射の後は運動療法が大切になってきます。

4.洗浄療法

パンピングを行っても奏功しない場合の治療です。関節に針を刺して、生理食塩水を還流させて、関節内の炎症物質、癒着の除去を行います。

顎関節症というと、すぐに咬み合わせの調整や、スプリントを作って様子をみていることが多い思います。
前に書きましたが、顎関節症といってもいろいろな症状があり、それぞれのケースで治療法が異なります。
顎関節症を専門にしている歯科医師の診断を受け、現在の病態(アゴの状態)、今後どのようなことが予想されるか、積極的な治療が必要かどうか説明をうけるべきです。