顎関節症の運動療法 その②
こんにちは。武蔵野市 吉祥寺本町 さくま歯科 佐久間琢です。
今回は顎関節症の運動療法の2回目です。
円板整位運動療法について書きます。
この運動療法は、関節円板が前方転位した症例に有効です。
関節円板のズレを治す運動療法です。
本来は関節円板が下顎頭の上に乗っていますが、
この関節円板がズレてしまうわけです。
では、練習の方法をみてみましょう。
①普通に口を閉じた状態です。
この段階では関節円板は手前にズレています。
②大きく口を開けます。
カクンと音が鳴ります。
これは関節が手前にズレてしまった関節円板を乗り越える時の音です。
③口を閉じます。
この時、図のように下アゴを突き出した状態で閉じます
図のように閉じた時に音はしません。
しかし、普段の咬み位置で咬んでしまうと閉じた時に音が鳴ります。
必ず、下アゴを突き出した状態で口を閉じるのがポイントです。
咬んだ状態で下アゴを後退させます。
元の咬み位置まで下げると音が鳴ってしまいますので、
上と下の前歯が合う所まで下アゴを後退させます。
②から④を繰り返し練習します。
前で咬んで後ろに下げる感じです。
手前へずれた関節円板を後ろに戻すイメージです。
練習中はカクンと音を鳴らさないようにするのがポイントです。
音が鳴ってしまうということは間違った方法で行っているということです。
この運動療法が適応になる病態かどうかは診断を受ける必要があります。
また、この練習で関節雑音が絶対なくなる訳ではありません。
関節の雑音が発生してから早期に取り組む必要があります。
また、普段は音が鳴るだけなのに、食事の時や起床時に口が開かなくなってしまう間欠ロックの症状がある場合はスプリントと合わせて使うことが多いです。
次回は、可動化訓練についてです。
投稿日:2023年6月20日 カテゴリー:顎関節症