口内炎・粘膜疾患 | 吉祥寺の歯医者 - さくま歯科 -

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口内炎・粘膜疾患

口内炎・粘膜疾患

ふつうの口内炎(再発性アフタ)

通常は1週間から2週間で治癒します。口内炎の原因は不明とされておりはっきりしませんが、症状を悪くするものに、ビタミン欠乏、鉄欠乏、ストレス、女性の性周期、遺伝、栄養障害などが挙げられます。 全身疾患(ベーチェット病など)の一症状だったり、長期間治らないものは悪性腫瘍の可能性もあります。この場合は組織検査を行う必要があります。治療としてはうがい薬の使用や、軟膏塗布などの対処療法を行います。

症例1

口内炎(再発性アフタ)症例1

症例2

左舌縁部の口内炎。

口内炎(再発性アフタ)症例2

症例3

右舌縁部の口内炎。

口内炎(再発性アフタ)症例2

ウイルス性口内炎

単純疱疹ウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの感染で起こります。全身に対しては抗ウイルス剤や、二次感染の予防のため抗生剤の投与を行います。
口内炎に対しては、うがい薬の使用や軟膏塗布といった対処療法を行います。

症例1

下唇のヘルペス性口内炎です。

ヘルペス性口内炎症例1

症例2

左上唇のヘルペス性口内炎。

ヘルペス性口内炎症例2

症例3

左下唇のヘルペス性口内炎です。

ヘルペス性口内炎症例3

良性腫瘍

乳頭腫、繊維腫、脂肪腫などがあり一般的に摘出手術を行います。再発は少なく、全身への影響はほとんどありません。

良性腫瘍症例

舌の先端にできた線維腫です。

粘液嚢胞

唾液の流通障害により生じる嚢胞です。唾液腺(唾液を作る工場)から上手く唾液が排出されないために風船のように膨れてくることで生じます。 痛みはなく、大きくなると割れてしまい、粘り気のある液体が流失して腫れが消失します。下唇、口底、舌、頬粘膜に生じることが多いです。 嚢胞と流失障害の原因となっている小唾液腺を摘出すればよいのですが、再発することがあります。

症例1

舌の先端にできた粘液嚢胞です。局所麻酔をして摘出します。外来でも簡単に摘出できます。

粘液嚢胞症例1

症例2

症例1と同じで舌の裏側にできた粘液嚢胞です。

粘液嚢胞症例2

症例3

右の下唇にできた粘液嚢胞です。
すでにつぶれています。
このような場合は膨らんでくるのを待って摘出します。

粘液嚢胞症例3

症例4

左の下唇にできた粘液嚢胞です。
局所麻酔の後摘出しました。

粘液嚢胞症例4

摘出物です。
嚢胞をつぶさないで摘出するとこのような感じで取れます。
摘出物は病理検査を依頼します。

粘液嚢胞症例5

悪性腫瘍(口腔がん)

舌や歯肉、頬粘膜に発生し、進行してくると病変が大きくなり、激しい痛みや出血といった症状がでます。処置が遅れると病巣が大きくなり転移をおこし、全身状態も悪くなります。
良性腫瘍に比べ再発することも多いです。外科的な切除、放射線治療、抗がん剤といった治療方法がありますが、ガンが進行すると頚部のリンパ節に転移し大規模な手術が必要になることもあります。
口腔に発生する悪性腫瘍の約85%は扁平上皮癌といわれています。

症例1

左上の歯肉のもこもこした部分、右の舌の膨らんだ部分は腫瘍になっています。

悪性腫瘍(口腔がん)症例1 悪性腫瘍(口腔がん)症例2

症例2

一見すると白板症のようにも見えますが、組織検査の結果、悪性腫瘍でした。
気になる舌や粘膜の症状は診察を受けるべきです

悪性腫瘍(口腔がん)症例3

白板症(はくばんしょう)

口の中の粘膜にできる白色の病変。症状はないことが多く、歯科医師に検診で指摘されることが多い疾患です。 原因は不明とされていますが、喫煙、機械的刺激、ビタミンA欠乏、刺激性食品の嗜好などが挙げられています。 いろいろなタイプがあり、タイプにもよりますが、約8%がガン化すると言われています。白板症を切って取り除いても約10%は再発するとされていますが、ガン化の頻度は2%まで減らすことができるとされています。 ガン化しない白板症は治療の必要はありませんが、組織検査をしてどのようなタイプかを把握しておくのが安全です。 仮に組織検査をしなくても、定期的に経過観察していれば、変化があっても(ガン化しても)早期に治療ができます。

症例1

舌背に白色の病変を認めます。組織検査を行いましたが、再発し、経過観察を行っていた症例です。左が初診時、右は組織検査後約6か月の状態です。今後も厳重に経過観察する必要があります。

白板症(はくばんしょう)症例1 白板症(はくばんしょう)症例2

症例2

舌縁部の白板症です。

白板症(はくばんしょう)症例3

白板症は前癌状態とされていて、放置するのはよくありません。組織検査を行い、状態を把握する必要があります。

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

炎症性病変で、症状としては痛みや、しみる、ひきつれ感などを伴います。白板症と違い自覚症状があります。炎症性病変のため症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
原因は不明とされていますが、自己免疫性の発生機序の関与が推測されています。肝炎(特にC型肝炎)や高血圧、糖尿病も発症に関与しているとの報告もあります。治療法としては対処療法がメインとなります。
ステロイドの軟膏塗布が有効です。金属ア レルギーが疑われる症例もあり、口腔内の金属を除去してセラミックに置き換えることもあります。 しかし、セラミックは保険適応がないため、経済的な負担が増えるという実情があります。

扁平苔癬(へんぺいたいせん)症例1 扁平苔癬(へんぺいたいせん)症例2

左右頬粘膜に赤色と白色の混在した病変を認めます。痛み、しみるような感じやひきつれ感を訴える方が多いです。

以上のように、口の中の粘膜の疾患にはいろいろあるわけです。気になる症状があったら診察を受けましょう。

口内炎、粘液嚢胞、腫瘍、粘液疾患の治療について

組織検査を行い、結果を説明します。しかし、口内炎でも悪性腫瘍の可能性があったり、全身疾患が疑われるもの、また悪性腫瘍や白板症、扁平苔癬の一部の病態は関連病院へ紹介いたします。

舌小帯異常・舌強直症

舌小帯の異常により哺乳・摂食障害、発音障害、下顎骨の劣成長などを引き起こします。哺乳障害があれば早期に処置を行う必要がありますが、そうでなければ経過観察です。発音障害は5歳~6歳時の処置で十分です。

治療方法

舌小帯が強く張っていて舌がハート状になっています。

舌小帯異常・舌強直症症例1 舌小帯異常・舌強直症症例2

麻酔をして小帯を切除します。数か所縫合し終了です。
簡単な処置で改善できます。