歯ぎしり対策
歯ぎしり
日常生活では、上下の歯が接触する局面があります。食事中、会話中、スポーツの最中、夜中の歯ぎしり・くいしばりなど…。
特に睡眠中の歯ぎしりやくいしばりは、起きている間(覚醒時)の咬合力を遥かに超える大きな力が数分間持続する事があり様々な弊害を引き起こします。
歯ぎしりの弊害と対策を見てみましょう。
歯ぎしりの弊害
臨床的によく見られる7つの弊害です。
1.咬耗(こうもう)
上下の歯が擦れる事でエナメル質が剥がれ落ち黄色の象牙質が露出しています。
歯が擦れてたいらになり審美障害が発生しています。
2.歯の亀裂(クラック)
縦に亀裂が確認できます。エナメル質が割れて溝が着色しています。
3.歯の破折
第一小臼歯が近遠心的に破折しています。
4.楔状欠損と知覚過敏
歯と歯肉の境目がくさび状にえぐれています。
5.咬合縫線と舌圧痕
頬に歯の痕がついて直線になっています。これが咬合縫線。
舌に歯の痕がついてギザギザになっています。
6.骨隆起
骨が内側や外側に張り出して隆起しています。
7. 顎関節症
顎関節や筋肉の痛み、関節雑音を引き起こします。
歯に過度な力がかかる事で、歯を痛めるだけではなく、顎関節にも負担をかけています。
歯ぎしり対策
1. ナイトガード
歯ぎしりはなくす事ができない事がわかっています。ナイトガードを装着し、歯と歯が直接接触する局面を少なくする必要があります。ナイトガード装着の目的は3つです。
1.歯やかぶせ物の保護
2.咬合力の分散(合理的配分)
3.顎関節内圧力の軽減
写真のようにスプリントを平坦にして全部の歯が接触するように調整します。
毎日の生活で確実に消耗して行きます。ナイトガードで対策を立てるべきです。
2. ボツリヌス注射
ボツリヌス菌が作り出す外毒素(タンパク質)を咬筋に注射して、筋力をコントロールします。